馬鹿だからなかなか分からなかった。
病院や作業所、自分がこの数年狭い狭い世界で生きていたことを忘れていた。回復するために人目を避けてじっとしていた。
開けた場所に出て行って、否応無しに他人の人生が写り込んで来る。めまぐるしく考える。私の反応を相手が待っている。いちいち開示しなくても、さっと必要なだけ距離を取れる。定型業務的なコミュニケーションも、給湯室から聞こえてくる愚痴も、人で溢れる通路も、今は目新しくて感覚も更新されているような気分。過去の経験のひとつひとつが実を結んでいくような感覚。
病院や作業所、自分がこの数年狭い狭い世界で生きていたことを忘れていた。回復するために人目を避けてじっとしていた。
開けた場所に出て行って、否応無しに他人の人生が写り込んで来る。めまぐるしく考える。私の反応を相手が待っている。いちいち開示しなくても、さっと必要なだけ距離を取れる。定型業務的なコミュニケーションも、給湯室から聞こえてくる愚痴も、人で溢れる通路も、今は目新しくて感覚も更新されているような気分。過去の経験のひとつひとつが実を結んでいくような感覚。